司法書士と弁護士って何が違うの?

司法書士資格は、一般的な知名度が低い割には、高難易度の国家資格です。

 

しかも司法書士の資格を持っている人が具体的に何が出来るか、ということを一言で説明するのも結構難しい資格でもあります。

 

司法書士の資格というのは、簡単にいえば主に民事に関する法律手続きを代行する仕事が出来る仕事なのです。

 

法律手続きの代行と聞いて、すぐに頭に浮かぶのが弁護士≠ナすが、弁護士の資格と司法書士の資格は、非常に似ているのですが違う部分も多くあります。

 

もともと司法書士の資格を持って出来る仕事は、登記や裁判に関係する公文書を裁判所や検察庁、あるいは法務局に提出する場合、その法律文書を当事者に代わって作成して手続きをするというのが主な業務でした。

 

ですから、今でも「司法書士=代筆屋」というイメージを持っている人が、年配の方の中には多くいらっしゃいます。

 

しかし、近年司法書士法が改正されて、司法書士に出来る仕事が増えました。

 

法改正によって司法書士が出来るようなった仕事で、代表的なものは「簡易裁判所訴訟代理関係業務」です。

 

漢字ばっかりで何の事だかよく判らないのですが、簡単に言えば簡易裁判所レベルで争われる民事裁判であれば、司法書士は弁護士と全く同じ権限が与えられたわけです。

 

つまり司法書士は、金銭トラブルや権利問題で、当事者同士の話し合いではケリが付かない場合、司法書士に相談すれば、その問題の解決に関するアドバイスをしてくれるだけでなく、当事者の代理人として裁判を起こす事が出来ますし、あるいは、裁判を起こされて被告人になった人に代わって裁判で弁論する事が出来ます。

 

これじゃ司法書士と弁護士って全く同じ資格ではないかと思う方もいらっしゃると思いますが、ある意味それは正解です。

 

しかし、司法書士は全ての裁判に対して代理人になれるわけではありません。

 

司法書士が弁護士と同じ権限を持って関われる裁判は、前述の通り簡易裁判所レベルで争われる民事裁判≠ノ限られています。

 

簡易裁判所レベルとはどんなレベルかと言いますと、争われている事件の金額が140万円未満の比較的小さい争い≠フ事です。

 

たとえばアパートの家賃を3ヶ月滞納して、滞納した家賃の3ヶ月分15万円をスグに払って部屋を出て行けというような裁判は、簡易裁判所で争われるわけです。

 

こうした金額の小さな事件は争っている当人同士にとっては大問題なのですが、何億という金額での民事訴訟を扱っている弁護士のセンセイにとっては「そんなセコイ訴訟はどうでもいい」と思っているようで、法改正によって司法書士が同じ権限で訴訟を扱えるようになっても、弁護士会は何の文句も言わなかったようです。

 

また、訴訟金額に関係なく刑事事件は弁護士の専門で、司法書士の資格では代理人として事件を扱う事は出来ません。

 

しかし、法律文書を作成するだけであれば、司法書士のもともとの仕事ですので刑事事件でも行う事は出来ます。

 

このように司法書士の仕事が弁護士と被るようになってきた背景には、これまで司法書士の主業務であった登記書類の申請がインターネットを使ったオンライン申請に変わりつつあるからです。

 

一方、自己破産にまつわる債務処理業務が増加してきて、弁護士の仕事はそうした仕事の増加を司法書士に移行したというのが実情のようです。